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   plaything   ・・・act 1
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成長期の途中にある身体はまだ細く、一種中性的なラインでソルの目を楽しませた。羞恥と怯えに潤む瞳も、シーツを掴む震えた指先も、何も彼もがソルの欲望を煽る。
しかし、自分からはカイに手を触れずに、ソルは傲慢に言い放った。
「俺のことが好きなんだろ?」
告げられた言葉にベッドに沈み込んだ身体が一瞬、大きく震えた。それでもカイの唇は、否定の言葉を紡ぐことはない。目を伏せ、とぎれとぎれにカイは返事を返した。
「そう…です」
「じゃあ、俺のために何でもできるな?」
「…はい」
「じゃあ、自分で準備しな。抱いて欲しいんだろう?」
きゅっ、と一際強くシーツを握り、怯えた目でソルを見上げるが、撤回する様子が無いと見て取るとその瞳は絶望の色に染まった。
それでもカイは、ゆっくりと指先を腰のベルトにかける。金属音がやけに大きく部屋に響いた。自らが立てた音に怯え、震える指を叱咤して、カイは一気に下肢を露わにする。暗い部屋に白い下肢が浮かび上がった。まるで寒さに震えるように竦みあがり、頼りなくシーツをまとわりつかせた様は快楽とは無関係な怯えの色に占められている。
「…っ、これで、いいですか…?」
声に混じった怯えを隠せないまま、ソルに向かってカイは尋ねた。
「ふん…そんなんで突っ込まれて、怪我でもしたいのか?」
「…え?」
返された言葉の真意を掴めず、カイは不思議そうな表情を作る。
「俺は自分で準備しろって言ったんだぜ?坊やが慣らしもしねぇで突っ込まれるのが好きならそれでも構わねぇけどな」
そう言い、ソルは無造作に手を足にかけてカイの上体ごと自分の身体の下に引き倒した。言葉の意味を悟り、カイの表情が強張る。
「さぁ、どうする?」
残酷に選択を迫る声がカイの耳を擽った。暗に要求されたことのあまりの内容に、気の遠くなるような羞恥を感じ、カイは頬を赤らめた。
しかし、慣らされもせずに犯される痛みへの恐怖と、自らそこを受け入れる準備をすることへの羞恥。二つをてんびんに掛けたカイは、後者を選び取った。強く瞼を閉じ、これから行うことから目を背けつつも、カイは自らの欲望に手を延ばした。そこは既に、背徳的な興奮に煽られて先走りを見せている。
「お利口だな、坊や。…ついでにこっちも濡らせよ」
硬質的な音が響いた。ソルがチャックを下げる音だと気付いて顔を上げたカイの目の前に、熱い塊が押しつけられた。
「や…っ!」
思わず顔を背けてしまったカイをソルの指が押さえ付ける。
「テメェだけ先に気持ちよくなろうとしてるんじゃねえよ」
冷たい声を浴びせ掛けられたかと思うと、髪に絡んだ指が力任せに顔を固定し、反射的におびえた声を漏らしたカイの唇へ、容赦もなく欲望が突き入れられた。
「ぅぐ…、ん」
無理に奥まで飲み込まされ、カイはくぐもった声を漏らした。息苦しさと恥辱とに瞳に涙が滲むが、後頭部を固定されているせいでもはや逃げる事も叶わない。
それに、この行為を望んだのは自分なのだ。
愛してくれなくていい、優しくしなくていい。ただ、抱いて欲しいと。
カイは目を伏せて、口腔に含んだものに舌を絡めた。それはまだ硬さもなく、男がさして興奮していない事がわかる。自分を相手にした行為など望んではいないのだと、無言でそう突きつけられている様な気がした。ぎこちなくも、素直に愛撫をはじめたカイに、ソルは押さえつける力を弱めた。指を絡め舌を這わせ、羞恥も忘れて無心で欲望に奉仕するカイに、ソルは紅蓮の目を細めた。軽く髪を引いて、目線だけを上げさせる。
「下がお留守になってるぜ?」
「く…は、ァ……」
「淫乱な坊やは、痛いのはイヤなんだろ?ちゃんと慣らしとけよ」
どっちでも、俺は構わねえけどな。頭上で嘲笑する声にカイは今更ながらに頬を染めたが、露になっている下肢はすでに勃ちあがって、浅ましく刺激を求めていた。ソルの言葉に、カイはそろりと自分の欲望へ手を伸ばす。指先が触れただけで高ぶったものはびくりと震えて、痺れるような感覚をカイに与えた。躊躇いがちに指を這わせ握りこむと、もう快感を抑える事は出来なかった。手の動きは自然と早まっていく。中途半端にソルのものを咥えたまま、蕩けたような顔をして見せたカイに、ソルは不機嫌に舌打ちした。
「ったく…おら、休むんじゃねえよ」
蜂蜜色の髪に絡めた手に再び力を込め、喉の奥へ凶器を突き入れる。
不意の乱暴な行為にカイは目を瞠って咳き込んだが、それさえ刺激となるのか、欲望は熱く質量を増してさらにカイを苛んだ。
「んっ…あ、ふぅ……」
静かな部屋に、艶めいた吐息と濡れた音が大きく響く。太く大きなものに口内を犯されて、カイはゆがめた瞳から一筋涙を零した。苦しさか悔しさか、それが何から来るものなのかは、カイ自身にもわからない。唇の端からは、唾液と白濁が混じったものが顎を伝って流れ落ちシーツを汚す。
カイはソルの手に助けられるようにしながら奉仕を再開し、自らの先走りを絡めた指を後孔へと触れさせた。硬く閉じた入り口に指先を当てはするものの、やはり中へ差し入れる事には抵抗を感じて、その付近を撫でるような動きに留まった。
ソルは大きく溜め息をついた。自らのものから口を外させて顎を取り、目を細めて睨みつける。
「自分で誘っておいて、ちゃんと出来ねえのか?…面倒くせぇ、このまま突っ込むか」
「っ…や、あ」
炎のような双眸に射抜かれて、カイは恍惚としていた表情に怯えを走らせてソルを見上げる。
緩く首を振って体を震わせるカイを、ソルは焦れたようにベッドに投げ出した。
細い体はあっさりと転がり、ソルは起き上がる間を与えずにカイに圧し掛かった。
「お子様に付き合いきれるかよ」
乱暴に足を開かせてその間に体を割り込ませ、ソルはカイ自身が濡らした欲望を秘部へと押し付けた。その熱さにカイは組み敷かれながらも必死で体を捩らせる。
「いやぁ、ソルっ…!」
「うるせえな、黙って足開け」
ソルはそんな抵抗をすら、冷たく一蹴した。足を抱え上げて塊を捩じ込ませようとするソルに、カイは絶望したような表情をし、そして襲ってくる痛みにきつく目を閉じた。
「あぁ、ふっ…ひぁ!」
狭く閉じられたままの入り口から強引に押し入ってくるものは、カイに強い痛みと圧迫感だけを与えた。
優しさなど微塵もない、欲望が先行した結合に、痛み以上に苦しくなってカイは頭を振って涙を流した。
少しでも楽になれればと必死で力を抜こうとはするものの、体は苦痛に強張ってしまって、呼吸を整える事すらうまくいかない。ソルは竦む体にも構うでもなく、カイの悲鳴を無視して、強引に腰を使って根元までを収めた。
「全部入ったぜ?」
からかう声に、カイは顔を背ける。いやらしく全てを飲み込んだ秘所の熱さに、眩暈がしそうだった。隙間なく内部を犯されて、カイは荒く短く息を吐いて衝撃をやり過ごそうとするが、そんな言葉でさえ振動となってカイを責めた。しかしソルは落ち着く間を与えずに、乱暴に律動を開始する。ぎりぎりまで引き抜き一気にまた全てを収めさせるといった激しい律動に、細い体は哀れなほどに大きく揺さぶられ、カイは切れ切れに悲痛な声を上げた。
「っ、うぁ…は、やぁ!」
慣れないままの抜き差しは再びカイを痛みに怯えさせたが、繋がった箇所は次第に馴染み、カイにも痛み以外のものをもたらした。偶然感じる箇所を抉られれば、蒼褪めていた顔が快楽に赤らむ。表情の微妙な変化を見て取って、ソルは口元を歪めた。
「くく、いい具合だな…」
「や…嫌ぁ…っ!」
「こんなに締め付けてるのにか?」
頭を振って否定するものの、一際奥を突き上げられ嬲る言葉に体は勝手に反応を示す。きつかった締め付けも徐々に包み込むようなそれに変わって、痛みに力を失っていた自身もまたゆるゆると勃ち上がりかけていた。ソルは弱い部分を探り当てて、さらに強く突き上げる。
「あ、ぅ…ふ、んっ!ん…っ」
カイは空いた手を口元に運び、指先を噛んで声を抑えようとしたが、漏れ出るものは抑え切れない。自分のものとも思いたくない、淫らに艶めいた音にきつく目を閉じれば、また新しい涙が頬を伝った。その手を外させたソルは、動きを止めて目を細める。
「何だ、勝手に感じてんのか」
「な…ち、ちが…」
「違わねえだろ…おら、自分でやれよ」
掴んだ手を欲望へ宛がわせながら、ソルは優しく残酷に耳朶に囁きかけた。
「お前は、俺が好きなんだもんな…?」

耳元で囁かれる言葉は、カイの胸に切ない疼きを伴って染み込んでいく。
―――そうだ、私が望んだんだ。こうして彼に抱かれることを。
例えそれが本来許されないことだと知っていても、それで彼の中に自分の存在を刻み込めるのなら、少しでも彼の近くに行けるのならと。だから、何を望まれても受け入れようと、思ったのだ。
「どうした…?ほら、テメェの指でしごいてみろよ、もっと締め付けてみせろ」
もっと強い刺激を求め、震えるカイの欲望をソルはカイの手を絡めて掴み上げた。
「ひ…っ、あ…!」
突然の締め付けに、悲鳴に近い嬌声をあげつつも、カイはソルの言葉に従順に指を滑らせた。後ろからの熱い突き上げに身を震わせつつも、ぎこちなく自らの欲望を扱う。
「…っう、あっ…」
「…はっ、とんだ騎士様もいたもんだな」
女みたいに突っ込まれて感じてるかと思えば、足りなくて自分のまでいじってやがる、と嬲る言葉にもカイは耐えた。ただひたすら従順に行為を繰り返す。その動きに合わせて、脱がされないままの重苦しい上着がカイの肌をくすぐった。その感覚にすら震える様を、ソルは面白そうに眺めていた。
「こっちも触ってほしいのかよ?」
皺になって肌にまとわりつく上着の上から指を這わせれば、敏感な部分に触れた瞬間、露骨に甘い声があがった。
「っあ…っ!」
その反応が気にいったのか、更に指先を滑らせたまま、ソルはカイを責め続けた。
「分かりやすい奴だな、ほら、もっと触ってほしいんだろ?」
そのまま力任せに指を押しつけると、布の上からでも感じる固さがカイの快楽を証明してきた。
「もっと触ってくれって…言えよ」
下半身への侵略もそのままに、念入りに指先でそこを責められ、そう耳元で囁かれればカイに逆らう術はない。
ただ吐息混じりに同じ言葉を繰り返すだけだ。
「…触って…ください…」
透明な瞳を涙に濡らして、カイは縋るようにソルを見つめる。
やっとの事で告げた言葉にも、ソルはさして何かを感じた風もなく、焦らすような愛撫を布越しに続けるだけだ。興奮を覚えるではない、自分の浅ましい反応を嘲って楽しんでいるだけの、感情の伴わない行為。望んだのが自分とはいえ、それを自覚させられるのは惨めだった。
それでも、彼に触れて欲しいという思いは変わらないし、抱かれている事を後悔はしないけれど。
囁くついでに耳を舐め、軽く噛みながら、ソルは緩く突き上げた。その律動も先程までのような激しさはなく、わざとカイに物足りなさを感じさせるようなもので、カイはその意図を悟りながら、切なげに掠れた息を吐いた。ソルは紅蓮の瞳をすっと細める。
「どうして欲しいって?」
「も…っと、強く…ぅふっ……ちゃんと触ってぇ……」
嬲る言葉にカイは一も二もなく飛びつくようにして返した。理性を完全に手放したわけではなく、羞恥もまだ強くカイを責めるが、触れられる熱の誘惑にはもう抗う術もない。秀麗な顔を涙と快楽とに汚して訴える姿は扇情的であったが、ソルはまだ足りない、と今度は胸元から手を離して耳打ちした。
「坊や、おねだりってのはもっと色っぽくやるもんだぜ?そんなんじゃやる気も失せるってもんだ」
「そ…んな……も、わか…ら、ないっ…」
求める刺激を奪われて、カイは緩やかに首を振り、体を蠢かせて逆に内部を犯しているものを刺激した。意識してやっているのかは定かではないが、蠢く秘部は奥へ奥へとソルを誘う。
「ちっ……いまいち可愛くねぇが、まあいいだろ」
呆れたように吐き捨てたソルは、ずるり、と生々しい音を立てて、一度内部から欲望を引き抜いた。埋められていたものを失ったカイは、その感覚にも身を震わせたが、何を、と問い掛ける間も与えられずに、乱暴に体を投げ出されてしまう。触れ合っていた部分が離れ、ソルの体温を失った事に不安げな色を双眸へ浮かばせたカイだが、ソルはその視線を冷たく一瞥しただけだった。
シーツに転がしたカイにはもう目もくれる事無く、いやらしく濡れた内腿を鷲掴んで限界まで大きく足を開かせた。緩く勃ち上がっている自身と、男を求めてひくついている部分とを明るみに晒される屈辱的な格好にカイは怯え、咄嗟にソルに手を伸ばそうとしたが、それはすい、と身を引かれる事でかわされた。宙を彷徨った腕はそのままシーツに力なく沈む。ソルは苛立たしげにふん、鼻を鳴らした。
「触っていいなんて言ってねえだろうが。お望み通り突っ込んでやるから、せいぜいきつく締め付けろ」
冷めた口調で呟いたソルは、そのままカイの秘孔へと猛ったものを突き入れた。
「やあぁ…!!」
勢いよく貫かれ、カイは衝撃に涙を零した。すでに蹂躙された部分は傷付く事はなかったが、快楽と共に押し寄せる圧迫感は消せない。遠慮なく腰を打ち付けてくる激しい律動に息さえ継ぐ事もままならず、また触れる事も許されない状態で、カイはきつくシーツを握り締めて悶えた。ソルに触れられている足と腰、繋がっている部分の熱だけが、カイに快感を与え、溺れさせる。腰を高く上げられたこの格好は、ソルを見上げようとすると、自然に揺れる自分のものと抜き差しの様子が視界に入り、カイは居た堪れなくなって緩く首を振った。ソルの欲望が自分の中に収められていく光景は、視覚からもカイを煽り追い詰めていった。限界が近いのか、カイは無意識にソルを強く締め付ける。誘われて、ソルもまたさらに動きを早めた。
「ひっ、あ、あぁ!だ…めぇ、ソルっ…」
「そんなに俺が好きか…?」
悲鳴とも嬌声ともつかない声で名を叫ぶカイに、ソルは愉しげに笑いながら、自分本位の律動は止めずに尋ねる。
もはや意識も混濁としているだろうに、カイはその質問には、激しく揺さぶられながらも何度も頷いた。
「す、き…っ…好き……ソル…は、うぁっ!」
金糸の髪を打ち振るってカイは必死に繰り返した。口にすれば届くと信じているのか、ソルの動きに翻弄されながらも言葉を止める事はなかった。その姿は健気で純粋で、実にいじらしく美しく浅ましかった。
全く面白いものが手に入ったものだと、ソルは満足げな顔をする。
「いい子にしてるなら、たまには抱いてやるよ。俺が飽きるまではな」
捨てられたくなけりゃ、楽しませろよ、と。
一方的に欲望を奥深くへ叩きつけて、ソルは凄惨な笑みに口元を歪めた。





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