1回目は初日に見に行ったのに、結局8月末日まで持ち越してしまった…まぁギリギリ夏だ!!
というわけで今更感溢れておりますが、映画「サマーウォーズ」の感想です。映画版、漫画(コミックエース)版小説(角川文庫)版のネタバレを含みますのでご注意くださいませ。あと例によって無闇に長文、そしてちょっと自分語り。

▼ベタなストーリーと、それを感動に繋げる描写・視点

なにはなくとも面白かったーーー!!泣いたり笑ったりで、あっという間の二時間でした。
ストーリー自体はあちこちで言われているように、同監督の「劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」をセルフリメイクしたようなものなので、視聴中もある程度展開を予想できる部分が多かったんですが、それでも感動しまくり。

つか、このストーリーはキャラ設定と世界観設定が出た時点で想像がつく予定調和的なものだと思うので、あんまどんでん返し的展開を期待して見るものでもないんじゃないかな、とか。ストーリー、ベタっちゃすげーベタですし。でもスタンダードになるものは、スタンダードになるだけの理由があるわけで、そういう外しちゃいけないところを一つ一つ綺麗に押さえてくれて、だから最後が分かってても感動するんじゃないのかな。

で、この場合の押さえてるところってのが、「日常の細やかな演技が生み出す人物の存在感」(個人的には細田監督の真骨頂はこの部分だと思う)と、今作の場合はネット世界へのポジティブかつ、現実に則した視線が織り成す存在感」じゃないかな、と思います。

まず日常演技についてはもう言うまでもないというか。デジモンも時かけのときもそうだったけど、とにかく人物のちょっとした仕草が可愛い!!
ほんの画面端でやってるだけのことが、風景として自然に目に入るから、それがいかにもそこにその人がいる、という雰囲気に繋がる。
今回みたいに登場人物が多くて、結果それぞれの登場時間は限られてしまっても、それを物足りなく思ったり、イメージが薄れたりしないのは、画面に映っていないときでも裏ではあれこれやってるんだろうなー、というのが自然に脳内処理されるからだと思う。

とにかく今回は陣内家だけでものすごい人数なので、見てて途中誰が誰やら、ってなりがちだと思うんですが(私も一周目は公務員のおじさん連中がしんどかった)それでも「これ誰だったっけ」であって、「こんな人いたっけ」にはならなかったんですよね。
んでこの感覚がひじょーーーーーに、リアル親戚に感じる「そこにいるけど誰なのかよく分からない感」に似ている!!

ちょい自分語り入って恐縮ですが、ウチの父方、母方ともに兄弟が多くて(父4兄弟の次男、母3姉妹の三女)、結果的に親戚筋自体はかなり多いんですよね。流石に陣内家ほどじゃないですが。
まぁウチはそういう血筋なのか、趣味最優先個人主義万歳な人たちが多くて、頻繁に集まることはないんですが、逆にたまーに全員集まったときに、見慣れてないからもう本気で誰が誰だかわからないという(笑)(私だけかもしれないけど…)
で、この「そこにいるのが当たり前なんだけど、各自のパーソナリティがイマイチ自分の中で保持されてない感」を画面からひしひしと感じるんですよ!(笑)

これが意図的な演出なのかは分かりかねますが、やっぱりこの話の主人公は健二で、あの家族からしたら余所者というか、一応夏希の婿として家族扱いされただけの存在なわけで。そこから見たそれぞれの陣内家への距離感ってのが、その「そこにいるけど誰なのかよく分からない感」として凄くよく表現されてるよなー、と思うんだけど。
過剰にキャラを立たせるでなく、でもそこにいるのは認識できる絶妙な存在感。それがちょっとずつ団結していって、最後に一つになるから嬉しいし、泣けるんだよね。
心の動きが健二にしっかり同調するように演出されてるから、ベタな展開でもわが事のように最後大万歳したくなると!!

ちなみに、私、夏希は大好きですげー可愛いと思いますけど、ヒロインとしては微妙に弱いというよりこの作品のヒロインは佳主馬ですよね?と思うんですが、これもまた健二視点であることを重視してるからかな、と思う。

小説版だとまたちょっと違って、それなりに過去の関係もあるんだけど、映画版で語られる範囲だと、健二からみた夏希って、学校の憧れの先輩ってだけだよね。
そりゃ一緒に旅行に行ってるんだから、そこから随分近づきはしたけど、まだ見たことない部分がたくさんあって、身近な恋愛対象というよりは、やっぱり憧れや、見知らぬ女の子の要素の方が大きくて。(それもあって夏希は自分勝手でワガママな部分が強調されてるように見える)
だから花札バトルのときの夏希と健二は、もう完全に「先輩かっこいい!応援してます!!」なノリなわけだし。ヒロインっちゅーかヒーローですがな。

だからこそ今まで知らなかった素の部分が垣間見える瞬間(侘助のことをからかわれるシーンとか、縁側で泣くシーンとか)がむっちゃくちゃ可愛くて、でも立ち入れない部分を見せ付けられたようで少し悲しくなる。
そういう二人の距離感も、やっぱり最後に向けて少しずつ縮まっていくのがまた嬉しいんだよー!!

んで夏希に対して、佳主馬は最初から「こちら側」寄りで、かつ陣内家とこちら側を繋いでくれるパイプにもなってくれる存在だから、映画で見ててそりゃみんな好きにもなっちゃうさ!!オンリーだって開かれちゃうさ!!って話ですよ。いや単に声や視覚の要素もでかいとは思うけど(笑)脇チラ卑怯。

陣内家というアナログな世界で出会ったデジタル寄りの世界の住人で、かつ最初は陣内家の人間ともそれほど馴れ合っていないので、そりゃ健二から見れば異国で出会った同郷の人みたいなもんだから、最初っから好感度はうなぎのぼりですよ。
んで単に健二視点からってだけじゃなくて、この映画を見たそれなりに若い人たち、特にネットにある程度慣れ親しんだ人なら、やっぱり佳主馬に感情移入もしやすいよね。だって親戚付き合い面倒だし、んなヒマあったらネットでやることあるし。
このへんについてはこちらの感想が言いたいこと全部言って下さってる感じなので、リンクでご紹介させていただきますねー。

 ■幻視球 : 『サマーウォーズ』感想、大家族の圧力がカズマに萌えさせる

でも、そんな佳主馬も、最終的には他の家族と協力したり、自分の家族を守ろうとするところを見せるから、益々自分=健二もここを守らなきゃ、って気分になって、これも感動に繋がると。
佳主馬が負けて、「家族を守れなかった」って泣かれたときの「まだ終わってない」って健二が言うところ、もう見ててうぉぉぉぉぉぉぉぉ!!って感じだったもんなー。展開的にはあそこでもう一回主人公の見せ場がないなんて嘘だろ、みたいな割と陳腐な展開なのにね。

▼ネット世界へのポジティブかつ、現実に則した視線が織り成す存在感

私の場合、この映画を見終わった直後の感想は、「面白かった!」でも「泣けた!」でもなくて、「気持ちよかったー!!」でした。
それはまぁ先述したベタな展開をベタなまま綺麗にやりきってくれたこその清々しさってのが一番大きいと思うんだけど、あとはネットを凄くポジティブに捉えてくれてたってのがやっぱり嬉しかったんだと思う。

私はネット初めて大体10年くらいで、まぁそれなりに期間も長いし(とはいえその頃にはもう家にADSLは来てたし、WindowsもXPが出てたから、回顧するほど古い環境でもないんだけどさ)、それ以降はそういうのに関係した仕事や趣味ばかり持ってきたので、やっぱりパソコンもネットも大好きなのね。
そりゃ悪いところもいっぱいあって、悪用されてる部分も大きいと思うけど、でもそれをテレビとかに一方的に糾弾されるのは腹が立つんですよ。お前らが単にネットの活用方法知らねえだけだろ馬鹿!!みたいな。(そういう私はテレビの活用方法を知らないんだけどさ、元々あんま見るほうじゃなかったけどネットはじめてからは更に見なくなりました)

で、そんな風にネット以外のメディアに貶されたり、拒絶されたり、誤解されたりしてることが多い(気がする、多分に被害妄想もあるだろうけど)中で、こうして有効な活用方法を分かりやすく示してくれて、凄く好意的に描いてもらったのが嬉しくてさー!!
しかもそれが上っ面だけとったご都合的な描き方じゃなくて、実際にネットでもありそうな現象や言動をしっかり取り入れてくれて、嫌悪感を感じるような部分も包み隠してないところがまた良かった!!
奇麗事だけ並べてネットもいいものだよ!なんて言われてもしらけるけど、いいところと悪いところどっちも示して、フェアな条件で更にネットもいいよ、って言ってもらえるの、凄く嬉しい。

まぁ真面目に言ってますけど要は私もカズマたんの指ちゅぱちゅぱしたいし(※作中マジである書き込み)、アカウント預けてナツキの応援したいよ!!多分それで負けられたら死ぬほど怒るか大泣きするけど!!
そういう自分勝手さもちゃんと描写してくれたからこそ、OZもすごく存在感があって、その崩壊が身に染みるんだよね。

あ、あとネットじゃないけどスパコン燃えた。NECのSX-9だってね!ああ良かった上田が「…島根だから」にならなくて!!(笑)
モニタの反応の話とかもニヤニヤ聞いてましたよー。

▼預けたアカウントに対する考察、というか妄想

で、そのナツキに見知らぬアバターがアカウントを預けるシーン。BGMも合わさって大感動のシーンなんですが、そこでちょっとだけ邪推。
最初に出てくるドイツの少年のアカウント。あれ、限りなくデフォルトデザインに近いデザインのアバターですよね。
あれ、今回の騒動のために取った新規捨て垢だったりしないのかなぁ…。(仮ケンジみたいな)
だからこそ、あんなあっさりとナツキに預けられるんじゃないのかな、とか、見ながらちょっと邪推してしまいました。あんまりにもシンプルすぎたからさ。

んでネットってそういう流れとか、お祭り騒ぎにはとりあえず乗っておけ!!的な所ってあるでしょ、だからあのアバターが引鉄になって「んじゃ俺も俺も」みたいにみんなナツキにアカウント差し出したんじゃないかな。
どっちにしろナツキが勝てなければOZは終わりで自分のアカウントなんて意味なくなっちゃうし、その責任を他人の勝負に押し付けられるなら楽だしね。
あそこのシーンは、そういうネット(に限らないか)を使う人たちの、利己的な部分も表現してるのかなー、って、ちょっとだけ思いました。
いやもちろん素直に感動もしてたし(「私達の大切な家族を守ってください」の台詞思い出すだけで今でも涙が出る)、あのアバターのデザインだってあんま個性強いデザインにして下手にイメージ固定させるとまずい、って意図だろうとは思うんだけどね!!

▼妄想ついでに健二についても

映画版や漫画版では殆ど健二のバックボーンが語られませんが、小説版だとご両親の仲がかなり不仲だったり、本人も両親と折り合いが悪かったり、それをかなり気に病んでる様子があったりします。んでその原因って、健二に比較されるような兄がいたんじゃないかなーとか勝手に妄想してみる。
や、単に一人っ子や長男に「健」とは名付けないだろって思っただけなんだけど(笑)

でももしそういう存在がいたとしたら、侘助へのコンプレックスは更にきっついものになっただろうなぁ…。だからこそそれを乗り越えれば大きな自信になってくれるだろうけど。

▼声優陣についてちょっとだけ

パンフレット見るまで気付かなかったんですが、由美さん(ずーっと野球の応援してた奥さんね)と克彦さんの夫妻の中の人、ときかけの真琴と功介の中の人なんだねー!!これはときかけを見てる人には嬉しい仕込み。

私はときかけのあの後、って真琴と功介がくっついて、二人で千昭を大切に思いながら生きていくってのもアリだと思ってるのね。(勿論真琴が超すげえワープ技術とか開発して千昭のところまで行っても構わんですが)
んで二人で子供を作って、その子にも野球をさせて、千昭の待つ未来に野球やあの絵を伝えていく、ってのもいいなー、と。

今回のこのキャスティングは、そんなときかけのifな未来をちょっとだけみせてくれたような感じで、個人的にはかなり嬉しかったです。まぁほんとパンフ読むまで全く気付かなかったんだけどね(笑)二度目見ても真琴の方はわからんかった…。

▼他つれづれと美術関係など

何を隠そう、先述した父方の本家は、この映画の舞台の長野県上田市だったりします。駅から徒歩圏内に家がありますが、職業がちょい特殊なんで言えば特定されてしまうレベル(笑)
まぁ直系の孫ウチの姉弟しかいなくて、二人して継ぐ気ないから潰れるのも時間の問題ですが…。それともどっか譲渡先決まってるのかな。本家が管理してるからよく分からん。
更に言うなら現住所は新潟なので、万助おじさん家同様、上田出身新潟組だったりする。新潟のイカ美味しいよ!南蛮えび(甘エビのこと)もよろしく!(笑)

んでたまにしか帰らないとはいえ、夏の上田には何度も行ってますので、画面見ながら懐かしかったー!!
最初に出てきた上田駅のスクリーン、まんま過ぎて画面見た瞬間吹いちゃったよ。陣内家の門もまんま上田城だし。そのへんの写真はこちらのサイトさんが舞台訪問の写真を掲載していらっしゃるので、ご紹介させていただきますね。

 ■上田で領民総出の合戦開始! サマーウォーズ舞台探訪 : さざなみ壊変

あと地元民だと気付く描写としては、ちゃんと作中の料理が長野県特産だった。
テーブル料理はそれほどでもなかったんだけど、野球応援してるときに子供らと食べてる茶色の塊、あれ絶対おまんじゅうとかじゃなくておやきだわ(笑)長野の郷土料理ね。

あとは上田は盆地なので、とにかく夏うだるような暑さで慣れない人には本当にきついんだよね…。健二が蚊帳で休むシーン、しんどいだろうなーと思って見てた。夏希のことがなくても寝付けないよ、あれ。そのくせ冬は死ぬほど寒いんだぜ!!(新潟だって相当なもんですが、私的には上田の寒さのほうが骨身に染みる気がする)

あと気になった美術関係といえば、アバターのキャラデザ!可愛いけど微妙に毒があるというか、手放しで可愛いなーと言い切れないこの感じ、見覚えがあると思ったら踊る大捜査線のカエル急便のデザインした人か!!(笑)すげえ納得…。
音楽も松本晃彦さんで踊るコンビなんだねー。

それと城に閉じ込めたラブマが這い出てくるシーンを見て、ミスター味っ子の「うーまーいーぞー!!」シーンを思い出した人、いたら友達になりましょう(笑)
最初のラブマとの遭遇シーンがディズニーのファンタジアなのは間違いないと思うけど(映画館でゲラゲラ笑い転げてしまった)、流石にこっちは関係ないよね(笑)

▼最後に雑談

というわけで、我ながらどうかと思うほどの長文になりましたが、以上サマーウォーズの感想でしたっと!
気になってる方は是非映画館でやってるうちに、一度見た方も二度目がまた楽しい映画なので是非もう一度、見ていただきたいです。

私はスケジュールが許せば三回目見に行って、あと今回はDVDじゃなくてブルーレイで買いかねない感じ。プレイヤー無いのに。だって細かいところ一時停止して見まくりたいんだもん!アバターのデザインチェックとかやりてー!!
アバターといえばパルコの限定ストラップもプレゼントしていただけることになってるので、届くの楽しみすぎて死ねる勢いです。カズマァァァァァ!!

ちなみに映画の影響を受けて、既に花札は注文しました(笑)ClubNintendoのポイントがあったのでNintendo花札ー!
一緒に映画行った友人がルール知ってるので、教えてもらって勝負するぜ!

…なお、最後の最後まで自分語りで恐縮なのですが、今年父がお盆に里帰りするのに(※ウチの一族はお盆は帰りたい人だけが適当に帰る)、タダで一人サマーウォーズごっこYES!!と思って同行を申し出たら、「途中で魚釣り行くのに乗せていくの面倒だからイヤだ」と断られました。
可愛い娘と魚釣り天秤にかけて魚釣りとるとかーー!!そこは珍しく孫娘が実家行きたがってるんだから連れて行くところだろうがよ…。
こういうところがほんと趣味優先な、ウチの家系。毎年お盆と年末年始に家を離れて関東に居座ってる私が言えた口ではないが。

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