段々セブンイレブンの出力がどうとか関係なくなってきている気がしますが、それはそれとして講座最終回、トーン編です。
今回はもー思いっきりphotoshop限定。しかも6.0以下だとどーも動作が違いそうな部分も多いのですが、気にせず行きます(笑)だって他の環境なんて準備できるわけないじゃないかー!!

▼1.はじめに
私のフォトショップを使ったスクリーントーンの貼り方は独学ではありません。自分がphotoshop覚えたての頃に購入して拝見した、るかぽん様(旧:瑠沢るか様)の発行した同人誌、「パソコンでトーンを貼るガイドブック(2000/12/30発行)」を参考にさせていただいております。同人誌なので今は入手は難しいと思いますが、一応ご紹介。
ですので、以下ご紹介している手順の一部(トーン作成部分)はそちらと同じ方法を記載させていただいております。手順自体は他のサイト様で同様の説明を見た覚えもあるので、おそらくフォトショップでトーンを貼る手順としては一般的なものと思われますが、もしるかぽん様より掲載停止のご連絡をいただいた場合はこちらの記事を撤去させていただきます。
また、こちらの記事の中で不明な点があった場合は、この記事の筆者、藤井咲までお問い合わせください。くれぐれもるかぽん様にご迷惑のないようにお願いいたします。

なお、この講座の焦点は「photoshopで貼ったトーンをいかに綺麗にネットプリントで出すか」にあります。そのため線画の二階調化や、レイヤーの扱いなどの詳細な説明はしておりません。そういった講座をお求めの方は後述する解説サイトさんや、専門書籍の購入などをお勧めいたします。

▼2.線画を作成する
こちらに関しては前回の講座、線画編と基本は一緒です。気をつけることは以下の二点。

・縮小されるのを前提に描く
前回講座で触れましたが、ネットプリントの印刷では枠が切れるのを防ぐためか、自動的に画像全体に93%程度の縮小がかかります。
同人誌の場合は主にA4サイズの紙にB5サイズで原稿を作成すると思いますが、この場合そのB5サイズより10%程大きめに書くことをオススメします。
特に断ち切りのある漫画は刷ってみるまでどの辺が切れてしまうのか見当が付けにくいため、注意してください。(基本中の基本ですが、断ち切り付近には台詞を入れないとかね)

・解像度は600dpiで作成
前回講座では線画がどの程度精密に出力されるのか試すために解像度1200dpiで作業していますが、ネットプリントのプリンタは600dpiに対応していないのであまり意味がないようでした。また、トーンを貼る作業はそれなりにマシンパワーを食いますので、1200dpiで作成すると作業時間が膨れ上がる可能性が高いです。
そして、1200dpiで原稿を作成しても、最終的にサイズが大きすぎてアップロードできないと思われます。(絵柄や効果で上下しますが、私が試したところおおよそ600dpiで700KB程度のサイズになります)

▼3.グレーで色分けする
線画が出来たらトーンを貼りたい場所にグレーを塗って色分けしていきます。
感覚的には普段の色塗りと同じで、濃くしたいところには濃いグレーを、薄くしたいところには薄いグレーを、という感じで構わないと思います。
注意点は以下の二点。

・主線レイヤーとは別のレイヤーにグレーを塗る
主線レイヤーと同じところに塗る人のほうが少数派だとは思いますが(笑)念のため。

・慣れるまではトーン1枚につき1枚のレイヤーを作る
例えばキャラAの髪の毛とキャラBの上着は同じトーンでいいや、というのであれば「A髪の毛・B上着」というレイヤーをつくり、そこを同じ色で塗ると混乱しません。
慣れてくれば線数単位で一気に同じレイヤーで作業することも出来ます。

以下は私の彩色見本です。クリックで原寸サイズに拡大します。書き下ろすの面倒だったんでにゲスト原稿より持ってきました…すまん無限寺のお二人。せめてこの講座活用してくれ(笑)

20071224_1s.gif
なお、塗りわけはこんな感じ。それぞれ別レイヤーです。

・肌の影と上着・・・10%グレー
・髪の毛の薄いところと目・・・30%グレー<この描き方だとキャラの髪が薄(以下自粛)
・髪の色の濃いところ・・・20%グレーの乗算
・インナー・・・30%グレー

また、グレーの色のままではどんなトーンになるのか、想像しにくい人もいると思います。また、使った色によっては薄すぎるor濃すぎて印刷に適さない状態になることもあります。
ですので、事前に各種トーンの出力見本を作って、それを見ながらグレーを塗ることをオススメします。

以下が私の作成した出力見本です。網点トーンとグラデ、それぞれグレーが線数によってどのようなトーンになるかを一覧にしてあります。

tone_web.jpg
gradation_web.jpg

上記の画像はWEB用の縮小画像ですので、実際のファイルはこちらからダウンロードしてお使いください。

網点トーン出力見本(ZIP圧縮/1.48MB)
>>ダウンロードはこちらから

グラデトーン出力見本(ZIP圧縮/3.48MB)
>>ダウンロードはこちらから

中にはそれぞれPC用のファイル(PSD)と印刷用のファイル(TIFF)のファイルが入っています。印刷用のファイルをネットプリントで出力して、それと画面の中のグレーを見比べて、どこにどのトーンをはるか考えて行きましょう。
また、印刷したものを見ると分かりますが、網点であれば60線以上が、グラデは50線以上がかなり潰れてしまっています。版下としての実際の印刷に耐える範囲を考えれば、網点は50%グレーの50線程度、グラデは40線までに抑えておいた方がいいと思います。(ネットプリント以外で使用するのであれば、もう少し細かくても大丈夫なようです。印刷屋さんに推奨線数などがある場合そちらをご参照ください)

▼4.トーン化する
グレーのレイヤーをそれぞれ以下の手順で網点化します。

1.レイヤーを右クリック→「レイヤーを複製/保存先:新規」(レイヤー名は空白のままでOK)
2.複製された画像を「イメージ」→「モード」で「グレースケール」にする
(※最初からグレースケールで作成している場合はこの手順は不要)
3.「イメージ」→「モード」で「モノクロ二階調」を選ぶ
4.「レイヤーを統合しますか?」と聞かれるので「OK」をクリック
5.「モノクロ二階調」で出力はそのまま600dpiで、種類を「ハーフトーンスクリーン」にして「OK」ボタンをクリック
6.「ハーフトーンスクリーン」で「線数」を任意の数字(上記見本等を参考に)、「角度」は45度のまま、「網点形状」を「円」にしてOKボタンをクリック
7.「選択範囲」→「全てを選択」で画面全体を選択する
8.「編集」→「コピー」で画像をコピーする
9.線画画像に戻り、「編集」→「ペースト」で貼り付ける
10.貼り付けたレイヤーを「乗算」にし、元になったグレーのレイヤーは削除する

以上の手順を使いたいトーンの数だけ繰り返します。一見面倒ですが慣れれば1枚につき1分もあれば出来ますし、アクション化してしまえばもっと簡単です。(アクション化についての詳細は書きません。説明書などにも載ってますのでそちらをご覧ください)
また、例えば30%のグレーと50%のグレー、どちらも40線でトーン化するなどと決めている場合はそのレイヤーを一緒にしてしまい、一気にトーン化する、などということもできます。

そして以上の手順でトーン化すると、こんな感じになります。クリックで原寸大。

20071224_2s.gif

▼5.網トーン以外を貼る
柄トーン、砂目トーンなどは上記の方法で作成することは出来ません。そこでそういう場合は二階調化の画像を他に作り、それをパターン扱いで貼ったりします。
自作しなくても配布しているサイトさんもありますので、お世話になっているサイトさんをご紹介いたします。有名どころなのでご存知の方も多いとは思いますが…。

ねこまたぎくらぶ
漫画家 道原かつみ様のサイト。各種素材やphotoshopのTIPSなど多彩なコンテンツがあります。
名称未設定
摩耶薫子様のサイト。デジタル原稿作成の基礎的な知識も公開されています。

また、素材サイト以外にも、photoshop用のプラグインとしてトーン化するものを配布しているところなどもあります。自分ではあまり使わないのですが、こちらは便利だったのでご紹介。

・SandTone1.1
レイヤー内の画像を砂目化するプラグイン。PhotoShopプラグイン互換ソフトでも使用できる様子。

▼6.アップロード用にTIFF形式で保存する
出来上がった原稿は全て統合して(修正が必要になったときのためにグレーのレイヤーを残した未統合のデータは別に残しておくことをオススメします)、最後に以下の手順で二階調化します。

・「イメージ」→「モード」→「モノクロ二階調」→「出力:600dpi/種類:50%を基準に2階調に分ける」→「OK」

二階調化が終わったら、TIFF形式で保存します。軽く調べてみた限りでは、TIFF保存はどのバージョンのphotoshopでも可能なようです。(まぁ権利がAdobe社にあるようなので当然か)
ちなみにこのTIFF形式、WEBではあまり一般的ではないので(DTPのお仕事とかしてると馴染み深いのかな?)ご存じない方もいらっしゃるのではないかと思います。というかぶっちゃけ私が知らなかった(笑)
詳しい説明はWikipediaに譲りますが(笑)要は「なんかGIFの印刷用のすごい親戚」ぐらいに思っておけばいい気がします。…あ、突っ込みは不要で。
保存方法は以下の手順で行います。

・「ファイル」→「別名で保存」→「ファイル形式:TIFF(※.TIF)」→「TIFFオプション:『LZW圧縮』にチェック」
(※photoshopのバージョンが違う場合は多少表現が違うかもしれません)

自分の原稿で確認した限りでは、TIFF+LZW圧縮で保存すると、統合済みPSDの1/5~1/9前後のサイズまで圧縮されるようでした。(画像によってかなり開きがあります)ネットプリントでアップロード可能な画像サイズは1枚1024KBですから、PSD状態で5~6MBくらいまではトーンを貼っていい、と計算すればいいと思います。
ご参考までに、私の原稿で圧縮前後のサイズを並べてみました。

・PSDファイル(二階調化/レイヤー統合済み)4515KB→TIFF(LZW圧縮)715kB
・PSDファイル(二階調化/レイヤー統合済み)4052KB→TIFF(LZW圧縮)560kB
・PSDファイル(二階調化/レイヤー統合済み)4929KB→TIFF(LZW圧縮)669kB
・PSDファイル(二階調化/レイヤー統合済み)6703KB→TIFF(LZW圧縮)743kB

ちなみに、この方法を使って作成した版下原稿で、更にコピーをとると一部トーンが劣化する場合があります。(それほど大きく劣化するわけではないので、気にならない人なら気にならないレベルだと思いますが)できれば一度、上の出力見本を出力したものを更にコピーしてご確認ください。

なお、カラー編でご説明した「JPEG+画質ゼロ」保存でも同様に出力用のデータは作れますが、この場合は解像度を300dpiに落としてなんとか収まる…という感じです。解像度が下がる上にJPEGではノイズが出るため、刷った原稿はかなり汚くなります。オススメしません。(まぁ自分かなり最近までTIFFの存在に気付かずにコレでやってたんですけどね!!)

また、こうした原稿を家庭用などのインクジェットのプリンターで刷った場合、基本的にモアレ出まくりトーン潰れまくりの汚い原稿になるのでまったくお勧めできません。少なくとも版下として使えるレベルのものにはならないと思います。
ネットプリントの仕様として、出力するときにモニタにその絵が見本として表示されてしまう(笑/短時間ですけどね)というチキンには心臓の痛いことになっていますので、「コンビニでエロ本なんて刷れねえー!!家庭用でなんとかしたいんじゃー!!」という方は(そんな人はそもそもこの講座の意味がないが)いっそご家庭用レーザープリンタを買ってしまうのも手かもしれません。
つーかむちゃくちゃ安いんですね今!!個人的には家庭用でも10万単位のものだという印象だったんですが、調べてみたら下はモノクロ専用で13000円からありましたよ…。(もっともコレ買うならコピー機能付きで5000円UPのこっちをオススメしますが)ランニングコストも許容範囲過ぎるし、コピー本ばかり出してます、って方ならかなりアリな選択なのかも。つーか思い余って自分が買いそうです(笑)

▼7.余談:コミスタのネットプリント機能について
セルシオ社から発売されている漫画原稿制作ソフト「コミックスタジオ4.0」のPRO版、EX版ではコミスタで作成した原稿をネットプリントで出力することが出来ます。
私はこのソフトは持っていないので、さのーさんに出力したものを見せていただいたんですが、これが尋常じゃなく綺麗です。ソフトお持ちの方なら試してみる価値はあると思います。
(ちなみにファイルとしてはTIFF形式+G4圧縮でデータを送信しているようです。またファイルサイズの上限がないらしいのも非常に魅力的)
また、このソフトはPSDファイルも読み込み可能(色々条件がありますので詳細は名称未設定様のこちらのページなどをご参照ください)なので、さのーさんにお願いしてphotoshopで自作した二階調化データをためしに印刷してみてもらいました。
結果…やっぱりありえないほど美しい(笑)70線、80線などのかなり細かい線数の網目も使っていたのですが、それも十分見えるレベルで印刷されてました。
同じ原稿を使ってこの結果…ええいコミスタのソフトは化け物か!!と思いましたが、おそらくこの結果の差は「自動的に縮小されていない」に尽きるのではないかと思います。
何度かご説明していますが、JPEGファイルにしろ、TIFFファイルにしろ、ネットプリントで出力すると、93%程度の縮小が自動的にかかってしまいます。おそらくコレがトーン出力差の原因。コミスタ経由で出力すると、原寸のまま刷られているようなので。(比べてみたが明らかにコミスタ原稿のほうがでかい)
なので「とにかく綺麗に刷りたいんだぁぁぁぁぁぁ!!」という方はアップロード機能+αを求めてコミスタを買うか、いっそ家庭用レーザープリンタを買うかのどちらかを検討してみるのもいいかもしれません。どっちも二万弱だしね。
私はコミスタ未使用なので詳細は分からないのですが、見てる限りクセは強いけどその分あれこれ出来て面白そうなソフトではあります。

▼8.余談:グレイスケール原稿の印刷について 
photoshopなどのデジタル原稿に許された表現の一つとして、グレースケールで塗った原稿をそのまま印刷もできるというのがあります。ネットプリントの場合も勿論グレースケールで出力可能です。これだと縮小によるモアレなどもなく、画面のイメージそのままで印刷できるし、なによりかなりお手軽です。自分も多用してます(笑)
ですが、これで出力した原稿を版下にしてコピー本を作るのはオススメできません。潰れて真っ黒or飛んで真っ白のニ択になりますので。絶対に元と同じ状態でコピーすることは出来ないです。そうしたかったら版下じゃなくてネットプリントの出力をそのまま製本するしかない。(印刷代が二倍に跳ね上がりますが…)
どのくらいつぶれちゃうのかはご自分で確認していただくのが一番ですが、もし使うのであればネットプリント用の出力はカラー編と同じく、「JPEG+画質ゼロ」でじわじわファイルサイズを下げていくのをオススメします。

▼9.余談:小説本文の印刷について
ネットプリントでは文章フォーマットもいくつか出力可能です。小説書きさんが主に使用していると思われるWORDにも対応しているので、ご自宅のインクジェットなどでちまちま印刷している方には使用をオススメします。対応フォントがやや限られてますが(詳細はこちら)、こちらも綺麗に刷ってくれますよー!!
また、印刷屋さんにもよりますが、原稿をA4サイズに内枠B5サイズ状態で刷れば、それを原稿用紙に貼り付けなくてもそのまま入稿を受け付けてくれる場合があります。(くりえい社さんがそうでした)
出力代は枚数×20円なので厚い本だとそれなりにかかってしまいますが、その分きれいな原稿になりますよー!!トーンやグレースケールと違って版下原稿にしてもそれほど劣化しないので、コピー原稿用にも勿論オススメです。
つーか大体インクジェットとかの家庭用プリンタってランニングコスト高すぎてあんま枚数刷るのには向いてないんですよね。そういう意味でもネットプリント出力マジオススメ。

以上、三日間にわたる長文にお付き合いありがとうございました!ほんと自分のため(+一部の身内のため)のまとめですが、どなたかのお役に立てれば嬉しいなーと思います。

そして最後になりますが、当サイトは本日で七周年になりますー。めりくりあーんどおめでとう。我ながらびっくりだ。相変わらず毒にも薬にもならないような戯言ばかり書き連ねているサイトですが、コンセプトは「自分が楽しく、見てる人も楽しければなお良し」でまったりと続けていこうと思いますー。よろしければ今後も良しなに。
…というわけでサンタさん、クリスマスプレゼントか七周年祝いに森下直親氏画集をください(笑)赤枠のHG箱絵見てからベタ惚れなんですよ!!画集出るのめちゃくちゃ嬉しい…!!
や、この画集だとSEED系入ってないんですけどね。でも掲示板のやり取り拝見してるとSEED系はそれはそれで纏めるかも…って仰ってるので楽しみすぎて死ねる。発行されたらまちがいなくはるさんと尻尾振って喜び勇んで買いに行くと思いますー!(あと難しいだろうけどガンダムウォーの画集も出して欲しい…カードよりでかい絵で見たい!!)
つーか年末関東帰還のついでに電ホプロデュースショップの「スーパーモデラーズ」(公式サイトもーちょっとどうにかならんかったんか…)覗きに行くつもりなので、そこでこの画集売ってないかなー。別にAmazonで素直に注文してもいいんだけど、先日の電撃祭の件もあるし、出来れば少しでも電撃関係に貢献したい(笑)


■WEB拍手コメント返し
>夕梛さん
再度のご登場ありがとうございます(笑)そうですよねー、やっぱ30部でも多いですよね…げふり。ジャンル自体の勢いとかも関わってくる部分だから愚痴を言っても仕方ないですし、お互い頑張りましょうねー!!
そしてコスの件は以前ハリポタコスのときに私服扱いで突破しようとして怒られた友人の話を聞いた覚えがあるので、危ない橋は渡らない、コミケスタッフに迷惑はかけないに越したことはないんじゃないかなと。着替えの時間は承りましたのでそこを避けて遊びに行きますねー!
そして相変わらず地元は引きこもりですいません(笑)